シンガポール航空機が遭遇した「晴天乱気流」とみられる乱気流による事故は、
これからの私たちの交通手段選択にも影響がありそうです。温暖化により、今
までは発生しなかったような場所にも、乱気流が発生しているとのこと。
(乱気流に関する専門家の発言)
そこで気になるのが、「シートベルト着用サイン」です。
国内線では、「できるだけシートベルト着用サインが点滅していなくても、
着用するように」というアナウンスが流れます。そして「機長によりますと、
激しく揺れる場合もありますが、飛行の安全性には問題ございません」という
アナウンスが流れます。その瞬間、お客様は安堵します。
ですが、これから、この最終アナウンスをどのように受けとめるべきなのか、
という不安が残ります。「飛行の安全性に問題がない」ことは、どのような
根拠によって判断されたのか?この点がアナウンスされないと不安を消せない
状況が発生します。とはいえ、その不安を払拭できる回答をするには、「簡単
なアナウンス」で済むのか、という問題がさらに発生します。
ANAがメディアの取材に答えたところによると、乱気流を避けるためには、
過去に事故が発生した場所は飛ばない、先行機からの情報を地上の気象担当者
を通して共有して航路を確認、さらには地上で乱気流発生の可能性を感知した
時点で航路変更の指示を操縦席に発出する、ということだそうです。今後は、
AIを活用し、さらに緻密に行うとのことでした。
これらの安全性の担保をすべて説明したところで、どれだけの乗客が理解でき
るのか、情報量は適切か?一度乗ったら、機長に全権をゆだねることを乗客が
約束する説明や同意確認のチェックはあったか?などの複雑で判断の
難しい問題があります。
航空会社の事例は、一般企業のサービスにも同じことが言えます。カスタマー
ハラスメント対策を一定の企業に義務付けすることは、労働者保護の観点からは
有用です。ですが、カスタマーハラスメントが発生する可能性を全業務、全視点
で分析し、カスハラであると判断するための基準を明確にすることが非常に負荷
のかかる作業であり、そもそも分析する手法の構造や基準を細部にまで配慮し、
策定することから始める必要があります。
そして最大の問題は、カスハラとクレーム、事件扱いになるような事案との
違いを判断するために必要な、現場、顧客接点での顧客対応スキルの測定と
それにより引き起こされる可能性のある「火種」の検出を行う必要があります。
つまり、カスハラ対応指針を策定することの難しさよりも、現場がその判断を
下し、対応を正しく行うことの難しさを解消するための、顧客対応全体の論理的
な再構築を行う必要があるということです。
このプロセスは大変ではありますが、怠ったまま、カスハラ対応方針だけを薄っ
ぺらに策定してしまうと、さらなる問題を引き起こす結果となり、顧客の信頼を
失うことになります。
冒頭で示した航空会社は今回の問題をとおして、飛行の安全性に関する説明責任を
どのように果たすのか、飛行中に納得できないと声を上げるお客様にどのように
対処するのか、という顧客対応の再設定に迫られます。
この機会に、多くの会社が、人手不足を理由に曖昧になっていたような顧客対応
全体の構造確認を進めることが肝要です。
本日15時より「カスタマーハラスメント対策・体制整備 説明会(オンライン無料)」
を開催いたします。顧客対応管理のベースになる考え方とハラスメント対策に
ついてご説明いたします。ぜひ、ご参加ください。
<説明会概要>60分
1.カスハラ対応だけでは利益を見失う
2.カスハラのメカニズムを理解しておく
3.JR東日本の対応方針発表内容を深堀してみる
4.顧客対応力をこの機会に強化する、その仕組みをつくる
5.カスハラ対応に向けた体制作り(方針・対応ルール・マニュアル・トーク例作成)
6.カスハラ教育のポイント
7.お客様相談室の強化
お申し込みは下記サイトよりお願いします。
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