クールな顧客を唸らせる!プロの実力

お客様はクール化していると感じませんか?言い換えると、あまりサービスに期待をしなくなったお客様が増えている、ということです。

 昨年は「土下座」と「クレーム」を混同した、とんでもない理解で「クレーム」という言葉が使われてしまいました。これらが影響して、正当なお客様としての主張=改善要求を避けるようになったのかもしれません。

 クールなお客様が増え、その企業に顧客体験価値を求めないという現象が広がっているということです。その結果、企業はサービスに対するお客様の声を得ることができなくなります。理論値だけのマーケティングによるサービス設計が行われ、お客様の期待とのギャップが発生し、収益増進は見込めなくなります。

 この悪循環は、静かに日本経済を蝕んでいるように感じます。
お客様にとって「このサービスはこの程度だろう」と思うことは、「あきらめる」「期待しない」ということです。つまり、自分にとって必要な存在であるという意味的価値がゼロになるということです。

 どんなに素晴らしい製品であっても、技術の力(モノ)は短命の人気者で終わります。

 それに対して、サービス(コト)の実力は、ブランドとしての企業競争力を堅持するための基調となります。

 あるカード会社のカスタマーセンターでは、システム力を背景に効率の良い応対をしてくれます。1つの問い合わせに対して、スピーディーな回答ができ、追加の質問にもテキパキと対応してくれます。

 まさにシステム力のたまものです。ですが、そのシステムをサービスのツールとして使いこなしている応対者には、プロの称号が与えられてもよいはずです。

 情報を迅速にキャッチでき、回答説明の段取り、理解を促す表情、すべてに「お客様の満足度を☆1つ高めよう」という姿勢が伝わってきます。システムに頼る応対ではなく、システムを使いこなす応対だからこそ、お客様の顧客体験価値は高まります。

 また、ある家電販売店と契約している運送会社の配送員は、1つの家電製品を設置した際に取り扱い説明書の「ここは要注意」という点をわかりやすく事例で説明しています。

 「洗濯機に使う水道口は毎回、締めておいたほうがよいです。地震のときに、水漏れを起こしてお困りになったご家庭を何度も拝見しました」というような言葉を添えています。

 内容はともかくとして、「お役にたつ情報を提供しよう」という姿勢がプロです。なんでもネットで情報を見ればわかってしまうような時代ですが、「その場」を知らないと言葉にできない情報もあります。

 クールな顧客であるからこそ、プロの応対には称賛を惜しみません。
みなさんの会社では、「プロ」の定義をなさっていますか?その定義には必ず、CSの基本理論が組み込まれるものです。

 「高い問題解決力」という定義があったとしたら、それはCSの「気づき・観察力を発揮した期待以上の問題解決力」ということであり、「お客様がまだ言葉にしていない、想像もしていない問題への気づきと解決」にほかなりません。

 4月19日(金)のCS推進者のための基本講座では、モノとコトの関係性を正しく理解し、顧客価値を高めることをメインテーマとして、CSエッセンシャルをご説明いたします。ぜひ、ご受講くださいませ。

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