さて、第2回のテーマは「当たり前の視点を切り捨てる」です。
「お喜びの声」「お褒めの言葉」「ご不満のお声」というように、お客様の「生声」を「お客様の声」として扱っている企業が多いこと
だと思います。一般的な考え方ですね。ですが、この考え方には、企業としてのCSリサーチの観点が不足しています。
さらに言えば、この手のお声には企業の未来を拓くヒントはほとんどない、と言ってもよいのです。単なる「改善」に終わっているだけでは、未来は大きく動きません。
私がコンサルしている企業の定例報告会では、「喜んでいただいて良かったわね。それで?」と必ず、質問を返します。大事なことは
「それで?」なのです。
ポイントは2つです。1つ目は「その声をどう活かすのか?」、2つ目は「喜んでいただくことはCS設計として当然のことだった
のか?それとも?という判断」です。「その声をどう活かすのか?」と言えば、関連部門にお声を伝え、職場のモチベーションを高める、
ということでしょうか。
「活かす」のであれば、「お喜びの声」「お褒めの言葉」をお伝えくださるお客様の背景をお尋ねすることが必要です。そのうえで、
NPS(ネットプロモータースコア)に近い自社特製アンケートを行うことです。
とは言ってもいきなり、「あなたは誰かにこのサービスを教えたいですか?」と尋ねては、お客様を驚かせるだけです。「お褒めいた
だいた当社のサービスがお役に立つと思われるようなご友人はおいでになりますか?」というように訊くのがもっとも簡単なヒヤリング方法でしょう。
もちろんこれでは10点程度の出来です。もう少しプロの話法テクニックがあると「訊く・尋ねる」話法1つで情報収集できるように
なります。このテクニックはまた、別の機会に。
その結果により、「褒められたサービス」の底力もしくは表層感の判断材料が集まります。お褒めの言葉が多いからと言って、それが
製品を含むサービスへの評価とは言えないことを認識すべきです。
2つ目の「CS設計としては当然の結果だったのか?」というのは、お客様の満足は自然発生するものだという考え方を根本から捨てる
ことが必要だ、という意味です。
WebマーケティングやSNSが消費、購買を左右する時代では、すべてが明確なCRM施策によって動いていきます。そのCRM
施策に合わせた満足度の段階的な反応を設計することが有用です。
プロフェッショナルレベルのテキストで学ぶ、「CS設計」の部分です。満足度を高める3ステップ理論から、そのステップごとに
該当する顧客の背景ストーリーを想定します。
その背景ごとに同じサービスを提供しても、満足度ステップが2あるいは3まで進めることができるのか、もしくはそのサービスに
人間がかかわることがなくても必然的にステップ3にまで満足度を高めることができるのか、という設計を行うことです。
その設計に対して、お客様のお声は、ステップ2のことなのか3のことなのか、を識別します。それにより、顧客の流動性を想定評価
することができます。ここまで実現できると、他部門に提供する情報はかなり激熱なものになります。
※満足度3ステップとCS設計の部分は、のちほどnoteで解説します。ぜひご視聴ください。
ですが、本当に求めたいCS視点はこれではないのです。これはあくまでも当たり前の視点を「活用する」もしくは「お客様の今の
価値観を共有するため」の考え方です。
これからしておきたいことは、消費者、クライアントがまだ気がついていない「その先の期待」を見つけ出すことがCS推進担当者の
能力です。
今朝、ある会社様のweb会議に出席しました。そこで最後に私はこんなことを提起しました。
「コスメは女性のものかしら?コロナで金銭的な理由で購入をおやめになる方も多いはずです。ですが、あるお客様から、夫婦で
使い始めた、という楽しそうに話すお客様の話を聞きました。想像してみてください。あなた方の会社の製品が、コロナ離婚を阻止
しているのですよ。(笑)夫婦の時間、家族の時間、働く時間の考え方が大きく変わろうとしています。あなた方は、それをどう
受けとめますか?」と。
ありきたりではないCS視点があるとしたら、今はこれしかありません。コロナと共に生きていく社会において、お客様がどのように
期待を変えるのか、サービスを求めていくのかという予測を想像できる情報提供です。
そのためには、結果としての「お客様の声」ではなく、会話を深くすることにより「聞こえてくる」「見えてくる」情報の発見です。
「ありがとう」という言葉も、「改善してください」という言葉も、結果です。今、私たちが追うべきとは、想像力を広げクリエイティブにリサーチする「その先思考」の発見です。
CSは社会知性です。CSは大人の学びです!第三回をどうぞ、お楽しみに。
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