最初の一言でわかる!働く姿勢がCSを創る

 思わぬ歓迎に目を見張ってしまった「トイレクリーンクルー」の最初の一言は、笑顔&お辞儀付きの「お待たせして申し訳ございません。
少々お待ちください」でした。

 決して広くはないスペースではあるが、手が届いた清掃であることは手洗い場を見ればすぐにわかります。

 トイレットペーパーの補充と清掃をしたいが、お待ちになっている人の列が途絶えない状況。嫌な顔もせずに、挨拶では目を合わせています。

 一般的な清掃では、途中で、「申し訳ないのですが」と断って自分の仕事をします。決して、効率から言えば、その方法が悪いわけではあり
ません。

 ですが、笑顔とお辞儀、そしてお客様への声掛けは、なかなかできません。

 まだ、若いママさんだとお見受けしました。彼女はこの仕事をしながら、自分の生き方を見つめているようにも感じます。「今を大事にしょう」「この仕事をやりがいのある仕事にしよう」という意欲が笑顔に隠されていると思います。とにかく気持ちのよい笑顔でした。

 一方、あるスーパーのレジでは、お客様に背中を見せながら何かをしているカウンターがありました。「いいですか?」と声をかけると、「大丈夫ですよ」と声が帰ってきました。

 「?」と感じます。「大丈夫が返事じゃ、ないでしょう。お待たせして申し訳ございません、でしょう!!」と内心イラつきながら支払いを。

 そこで予想通りにトラブル発生。710円の支払いに1010円を渡したところ、10円を出すタイミングが遅かったせいか、とっとと「1000円」と入金を打ってしまったらしく、おつりに10円玉が5枚。
(レジ戻りの10円1枚と40円のおつり)何を思ったのか、「10円玉が多いので、両替します」と言って、レジを操作し始めたが、不発に終わっている様子。

 面倒なので、「そのままでいいです」というと、「そうですか」の一言。おそらく、誤った認識で「10円玉が多いと主婦は嫌がる」と思い込んでいるのでしょう。

 大したことではないのですが、顔を見るとぼーっとしています。
目線をちゃんと合わせることができない。

 働く姿勢は「個人の質」ではないと思います。「個人の質」と決め込みたいのは、「教育なんてそもそもできない」と言いたい教育担当者の言い訳に過ぎないのではないでしょうか。

 さらにいえば、採用する側が「人手」と思って採用するから、気にならないのです。「大切なサービスフロントの一員」という考え方をしていれば、そもそもの教育方法が違うはずです。

 前者のクリーンクルーの教育は、一人の人生、働き方と向き合う採用教育ができているのではないでしょうか?同じフロアの他のクルーも好感度でした。

 外国人労働者の採用が増えていくことになりますが、根本は同じです。企業が教育をすることは、人への愛情であり、社会の責任です。

 もう一度、サービスフロント従事者への教育の在り方、そして働く姿勢をどのように育てていくのかを検討すべきだと考えます。

 人手不足で教育の時間なんてかけられない、という問題があるときに、だから何もしない、という結論に終わる企業は生き残るのでしょうか?

 企業体質が蝕まれれば、組織は終わります。組織は人です。人を想うことです。

 企業と従業員、そしてお客様の3者がお互いへの「気づき」をもつことも必要です。お客様とて、人手不足は理解しています。
ですが、それを補う努力の質が問題なのです。

 少しずつ、音をたてて「かみ合わない満足度」がお客様との関係性に亀裂を生じています。

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