職員の苦労に涙あり!CSスローガンを掲げる会社の夢の跡

まだ民営化される前の「郵便局」の研修や講演会によく登壇させていただきました。すでにその当時から、優秀人材は簡保、郵貯と局内の担当決めがなされていたことを思いだします。

さらに言えば、なんと民営化後の「かんぽ」お客様相談室の研修も定期的にご指名いただいていました。もちろん内容はクレーム対応。

案件の内容は、今、大問題になっている事件そのものでした。どう考えても、受け取るときには既に亡くなっている可能性が高いような養老年金などを契約させたケースのオンパレード。

お客様相談室の担当者は苦悩していました。それが何を意味するかを知っていたからです。ほとんどがマンツーマンの面談型指導でしたので、私も苦悩しました。私が指名された理由を私なりに理解していたからでもあります。

当時、法務局の窓口サービス改善プロジェクトをはじめ、社会保険庁などの研修も担当していましたので、「答えの出せない行政型クレーム」に強い、と噂されていたからなのでしょう。

ですが、当時、「これは不適切な営業行為だ」という言葉をストレートには出せず、「一部の好ましくない営業行為にかかわるクレーム」という言い方で、かんぽの上席者に指導報告をしていました。

今でもよく覚えていますが、三田にある歴史感の漂う建物で明治か大正の建物のように見受けられました。薄暗く不便そうな事務室でした。

この建物の中では、何かが隠蔽され続けていくのだろう、と思う時間が続きました。それでもなんとか担当する職員の方の心が壊れないための「説明トーク」を指導したことを記憶しています。

方法はたった一つしかありませんでした。

「故意に無理な契約を強いたのではなく、ご契約者様ご自身の安心をお求めるになるお気持ちに沿ったご提案であったと思います。とはいえ、経済的な配慮や人生を支援するという当社の役割を果たしていないことも事実です。ご家族の皆様にはご不安とご心配をおかけいたしまして、まことに申し訳ございません。早々に担当局・・・」

研修講師としての今も忘れられない時間であり、苦悩です。
それでも、事実をぎりぎりでも隠蔽せず、逃げずに、お客様相談室職員の心をケアできる最大限の方法でした。あれから10年以上が経ち、こうしてあの時の苦悩を思い出すことになるとは・・・・」これしか使える言葉はありませんでした。

今、かんぽの職員の皆様は本音と現実の狭間にたち、大きな苦悩の中においでになると思います。経営層が簡単に「改善できる」と口にすることが許せないと感じていることでしょう。

お客様の声をうけとめ、それを真摯に継続できる組織には、明るい日差しが差し込むお客様相談室という一室があるべきです。お客様対応の担当者、営業の担当者の「声」を踏みにじる組織には明日は昔から郵便局には「お客様第一」というポスターがどこにでも貼られていました。ですが、そのポスターは陽にあたり、めくれ上がり、止めているセロテープや画鋲が1か所外れているものばかりでした。

CSをスローガンに終わらせていたからでしょう。まさに、今の問題発生は、「郵便局が夢の跡」ですね。

この問題をこのままうやむやにすることだけはして欲しくない。
そう願いながら、「かんぽ」お客様相談室の応対方針に注目していきたいと思います。彼らの心が守られることを願いながら。

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是非、ご参加ください。

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