従業員のエンゲージメントを高めることは企業にとって大きな課題です。
終身雇用制度が「あたりまえ」ではなくなったとはいえ、「人財」を
抱えておきたいという企業の思いは変わりません。
ところで「エンゲージメント」の定義とはどのようなものでしょうか?
1.会社の方針や考え方に、従業員がどれだけ共感し自信をもって
仕事に取り組めるか
2.ただ仕事をこなすのではなく自発的に質の高い、未来を拓く仕事を
したいという想いをもって働くことができているのか
3.企業の発展と共に自己成長したいという想いをもって働くことが
できているのか、
と考えるのが妥当でしょう。この定義を1だけだとしている企業は
その時点から大間違いです。
中には、従業員満足とエンゲージメントを同一視している企業も
あります。これも残念な理解です。現実的には、従業員満足は高いが
エンゲージメントは低いという企業が多いのです。定義の2,3が
従業員の中に充たされていないということです。
ですが、2,3は俗にいうところの「モチベーション」にかかわる
ところです。仕事の仕方が2,3の良い状態を引き出すことにつながって
いるのか、という点に着目することが必要になります。
特に20代~40代の社員では、「パーソナルブランディング」という
考え方が重要視されています。人材市場における「自分の価値」を
高めるための「自分の資産化デザイン」ともいえるものです。
自分をブランディングするためには、表層的な小手先のブランディ
ングでは化けの皮がすぐにはがれてしまいます。そこで、重要なのが
「どのようなお客様と、どのような関係性をもって、どのような成果
を出したのか、それにより、そのお客様にとって自分がどのような
存在価値になったのか、そのことをお客様は『そのとおりだ』と発言し
パートナーとしての価値を認識しているのか」という現実的な「実力」
を明らかにすることです。
このストーリーを作りあげるためには「お客様の立場に立った
気づきがある」「お客様の期待を超える問題解決ができる」という
2点が必須のビジネス行動です。まさに、ここがCS理論、実践行動
と合致します。
検定テキストでは、この「気づき」という初動を「ビジネスヒュー
マンスキル」と呼んでいます。CSを学ぶことにより、自分の行動を
変える、そのことが自分の価値を高めるブランでディングに直結します。
何かと話題になっている回転すしチェーンの「銚子丸」では、この
「パーソナルブランディング」の土台となる「ビジネスヒューマン
スキル」=お客様の立場に立った気づきの力をトレーニングしている
場面を見かけました。
ブリヒラ(近大が開発したブリとヒラマサのハイブリッド魚)1尾を
若手職人が丸ごと捌き、寿司を握り、その皿を大きなお盆にのせて
自分でお客様に案内しながら売る、というトレーニングです。
おそらくCSのトレーニングなどという意識はないでしょうが。
もちろん会社の方針で行っているイベントではあります。ですが、
「ブリヒラ」へのお客様の期待、一尾を捌く職人の技量への期待、
そして「旨さ」への期待に対して、自分たちはどのように応える
ことができているのか、ということを「直」に体験します。
おそらく複雑な思いも経験することでしょう。その経験が「自分、
自社が良いと思うことはお客様が満足する」というおごりを正して
くれます。
そうこうしているうちに、お客様の期待に応えるための努力と
研鑽を重ね、組織に意見提言できるようになります。「あの板前さん
の握りは美味しい」と来店客が噂してくれるようになり、店長候補
へと成長し、他社からのスカウトが来るようになるのでしょう。
3月1日(水)12時30分から50分までの20分!前回大好評だった
「今週のビジネスニュースを読み解く ビジネスのCS気づき
レッスン」をオンラインで開催いたします。
ラジオを聞くような気分でお付き合いください。
♪♪♪~CS音声ブログはこちらから
「歯科医とのコミュニケーションが大改善」
「エンゲージメントとCSの関係」