メルカリは11月17日に「サポート体制を見直す」という発表をしました。
「メルカリをめぐっては、購入者から「返品したい」という要望があり、出品者が
応じたところ、返品されたのはゴミ入りの箱だった…。などのトラブルがXに投稿。
これに対してメルカリのサポートが『当事者間で解決を』と対応したことも明かされ、
『もはや安心して売買できるプラットフォームではない』などの批判が集まっていた。」
(ニュース記事より抜粋)
このニュースをみなさんは、どのように受けとめたでしょうか?
「やっぱりね」と感じた方もいることでしょう。大事なのは「やっぱり」の
理由です。CSにかかわる私たちにとっては、ここが肝です。
結論からすると、「最新のビジネスモデルのCS欠乏点」の想定ができていない
ことが、このような体制の見直しを求められる結果となったといえます。CS
設計はお客様の立場にたった目線で、不満足点を洗い出していく作業からはじ
まります。この作業をしていない、ということです。
特に、「お客様」の理解が狭いことに問題があります。新しいビジネモデルの
利便性をよく理解し、継続的に利用してくださる人=このサービスの価値を高く
評価する体験をしている人、だけを「お客様」と想定しているということです。
言い換えると、継続利用者と自社の関係性のみをサービスの範疇と捉えている
ということにもなります。
設計されたビジネスモデルでは「利用者間のトラブルは自社の責任で発生する
ものではない」、それがこのビジネスモデルの企業側のメリットでもある、と
いう考え方だったのでしょう。おそらく何の躊躇もなく、「ビジネスモデル
もしくはサービスモデルとしては当然のこと」だと社内で考えていたのでしょう。
まるで、一昔前のグッズ・ドミナント・ロジックへの逆行です。
実は、この考え方が最近のビジネスモデルでは、目立ちはじめており、トラブル
を生み出しているようです。11月6日の「CS気づき ランチレッスン」でも
説明したのですが、責任の放棄がはっきりと見受けられる事例もあります。
あるデリバリーの会社では、誤配が発生した場合に、誤配被害にあった被害者が、
デリバリー企業側に連絡をする仕組みが用意されていませんでした。心ある
「配達車事故受付」の方が連絡先を教えてくださり、やっと担当者につながり
ました。
ですが、その担当部門の「上席」と呼ばれていた方は、辛そうに「当社には誤配の
通報を受ける仕組みがございません。会社には何度も改善を求めているのですが・・・」
と言っていました。
コロナ禍により、デリバリーサービスは、システムと人力を活用したビジネス
モデルとして成長しました。ですが、「誤配」は自社責任である、という認識は
全くないということです。誤配された側は被害者であり、将来、顧客になる可能性のある
未顧客である、という理解すらなされていません。
さらに言えば、誤配をした配送者は、インターフォンに顔が映っておらず、黒い
パーカーの背中だけが残されていました。もちろん、誤配された側は、インタ
ーフォン越しに返事すらしていません。これでは、まるで「闇バイト」と同じです。
ビジネスモデルの優位性に溺れてしまい、企業としての責任を放棄してしまい、
お客様との共創を前提にした事業の在り方を設定していないことは残念です。
つい、数日前にウーバーイーツの新しいCMを目にしました。
少なくとも、「配送者の健康的な顔」がよく見えました。(笑)
CS感度が高まっているのかもしれません。ここで同じビジネス
モデルであっても、少しずつサービス格差が生まれていくのでしょう。
CS欠乏症は、企業の未来に大きな影響を及ぼします。
11月22日のCSマネジメントでは、最新ビジネスモデルとテクノロジーの進化の
視点から、CS推進担当者が「今」すべきことについて、解説いたします。
◆◇◆ 第49回 CSマネジメントセミナー ◆◇◆
11月22日(金) 15:00~16:00
今回のテーマは:生成AI、DX時代に必要な顧客対応リテラシーの醸成
お申し込は: https://www.cs-kentei.net/csms.html
◆◇◆ 生成AI応対品質評価サービス 個別説明会・無償体験会開催中 ◆◇◆
弊会が支援するK&Ⅰパートナーズと東芝デジタルソリューションズが共同で
開発を連携している「生成AI活用による応対品質評価サービス」についての
個別説明会、無償体験会を承っております。
お申し込み、お問い合わせは、下記のURLにご連絡ください。
■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
※当検定協会のメールマガジンの全文または一部の文章を
許可なく転載することを禁じます。
※このメールアドレスは、配信専用です。ご返信いただきましても
ご回答できませんので、ご了承ください。
※CSスペシャリスト検定協会メールマガジンの今後の配信停止を
ご希望の方、アドレス変更をご希望の方は、お手数ですが下記のアドレス
までご連絡をお願いいたします。