リスクを誘発するマニュアルの怖さ

 箱根湯本駅からある観光スポットまでを送迎巡回しているマイクロバスでのできごと。

 始発の某スポットからほぼ満員の乗車状況でした。まだ、乗車待ちしている人がいます。運転手は「あと1名しか乗車できない、無理だなぁ。ごめんなさ
いね」と愛想よく話していました。

 次のバス停で4名が待っていた様子。そこで、運転手はバスの乗降扉をあけて、「乗っていいよ、とは私は言えないから、判断して~」とこれまた愛想よく。

 さらに「扉開閉するから、アームに気をつけてよぉ」と乗車した4名の女子に声をかけました。

 ちょっと待ってよ!このバスの乗車定員は何人?!そう思ったのは私だけだったでしょうか?

 運転手の言葉からもリスクを意識していたことはわかりました。ですが、この運転手が心配していることは、「定員オーバー」に対する責任だったと思います。

 私が心配したのは、箱根のかなりの急勾配の坂を曲がりくねりながら走ることです。重量のバランスは?と事故を未然に防ぐための心配です。

 さらに、愛想よくペラペラとしゃべり続ける運転手の軽口がどうにも・・・・。

 マイクロバスの定員は28-29名(21名正座席、補助席6-8名分)だそうです。
ですが、中型免許で運転するには、総重量に制限があります。特に、マイクロバスには荷物を置くストッカーがないので、座席に加重されます。

 つらつらと書きましたが、お客様の健全な神経からすると当然の不安がよぎる、ということではないでしょうか。

 事故が起きなければ、平然と運転手の愛想話に同調する乗客。ですが、もし横転したら・・・。

 このマイクロバスの会社のマニュアルには、「お客さまを笑顔でお迎えしましょう。旅のよい思い出になるように」という言葉が、何の注釈もなしに書か
れているのではないでしょうか。

 本来であれば、「笑顔でお迎えしましょう。そして、交通法規を守ることで、お客さまの旅をよい思い出でにすることが私たちの責任です」という文言が必要です。
 
 もしかすると、その文言が書いてあっても、「慣れ」が出てしまうと「個性」を優先してしまう運転手がいることを認識していないマニュアルなのかもしれません。

 つまり、採用者の傾向や「慣れ」というもっともリスキーなことへの有効な指導方法がマニュアルに反映されていないのではないでしょうか?

 さらにそのマニュアルの理解が実践できているかどうかをモニタリングするのが健全な指導です。

 マニュアルの文言一つで、仕事の質が変わります。マニュアルは働く人の傾向や「慣れ」までをも分析した結果を反映する必要があります。

 きれいごとだけのマニュアルでは意味がないことはもとより、難しい業務責任を問う指導マニュアルだけでも不足する部分があります。

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