みなさま、桜咲く4月、元気にお過ごしでしょうか。代表理事の石川でございます。
さて、ユウァル・ノア・ハラリ教授の「NEXUS情報の人類史」という著書が話題になっています。
「人間ならざる知能(AI)を前に人間の『絆』を守れるか?」というテーマに
ついて述べられており、インタビューの中で「AIに判断を委ねることで人間は、会話の
流れをつくる力を失った。それにより人と人の信頼がなくなった」とも発言しています。
ずっと、疑念を感じていた「生産性を高めるためのBPOの進め方」に、明確な解を示された
ような気持ちです。この疑念については、2月20日のCCAJ(日本コンタクトセンター協会)の
セッションでも、発言させていただきました。
BPOと共存する『人を介することならではの価値の提供』を考えるべき時期がやって
きています。
人手不足により十分な教育ができないまま、顧客接点を担っている人たちが多くいます。
致し方のない現実のように見える中で、その顧客対応がその会社の「当たり前」に
なってはいないでしょうか?
また、人手不足を補い、生産性を高めるために、自動化ツールを顧客接点の主軸に
したサービスや顧客対応に切り替え、「自社標準はこれだ!」と決め込んではいない
でしょうか?
その結果、人が担当する顧客対応にも、「言われたことに応えるだけで十分だ」
「効率が一番」「気づきなんて、無理だ。ホームページのFAQに誘導すれば済む
ことだ」という考え方が本流になってはいないでしょうか?
さらに言えば、応対品質評価においても「ご不満のお声には、適切なお詫びをする
ことができている」「回答を正しく選び、説明することができている」というような、
『できていること評価』で終わってしまい、「人ならではの対応」を評価していない
会社が多いのではないでしょうか?
その結果、お客様からの要望に緊急性や重要度が含まれていても、「申し訳ございません。
では、解決方法をご案内いたします」という、「お客様の背景」「お客様の心情的
な問題」には何も触れることなく、「謝罪+説明」という、「回答のみ」で終わる、
企業の想いを伝えることができない会話が「当たり前」になってはいないでしょうか。
世の中を驚かせるような新しいビジネスモデルが生まれても、すぐに他社からも同様の
サービスが提供される時代です。顧客対応が「回答のみ」では、「意図せぬ顧客離れ」
を引き起こします。
昨年、フリマアプリの「メルカリ」で「返品に応じない」という問題が起きました。
利用者から問われたのは、「お客様の声、要望に応える姿勢や仕組みがない」という
ことでした。メールで対応を求めるしかなく、送ったメールには「対応しない」という
自社ルールを説明した内容が返送され、その状況がSNSに投稿されました。
そもそも、「C to C」であることから、メルカリでは「顧客間の問題にはかかわら
ない」というスタンスを創業時から言明していました。その方針は、「利用者減」と
いう結果、つまり「顧客離れ」という危機感により、大きく転換する必要性に迫られた
のです。
メール対応やチャット対応オンリー、ボイスポット最優先、という顧客接点の組み
立てには生産性、効率化という点では有効なのでしょう。もちろん、お客様にとっても、
ストレスを軽減できる可能性も高いことでしょう。
ですが、「人でなければ、人が介することで生まれる価値」を簡単に見捨てて
しまってよいのでしょうか?
顧客対応に必要な「会話の流れをつくる力」をもう一度、顧客接点に取り戻す時期が
訪れています。弊会では、4月23日(水)にこの問題をテーマとした下記のセミナーを
開催いたします。
私が、全力で『人を介することならではの価値の提供』『会話の流れをつくる教育方法』
について解説いたします。ぜひ、ご参加ください。
■■■ CS特別セミナー ■■■
4月23日(水)15:00~16:30
テーマ:会話の流れをつくる力を取り戻せ!意図せぬ顧客離れを防ぐ
~BPOと共存する『人を介することならではの価値の提供』~
4月23日(水)15:00~16:30
<カリキュラム>
1. 失われた「会話の流れをつくる力」とは
2. 人と人の信頼、人と企業の信頼を再認識する
3. 危険な会話例を作り変える
4. 自動化ツールとの共存を考える
5. 応対品質評価の大変革に挑む
一般受講料 11,000円(税込)
メルマガ会員受講料 8,800円(税込)
申込はこちらから
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