いよいよ顧客対応の部門にも圧倒的な仮説検証能力、設計能力の重要性がクローズアップされるようになります。より、ロジカルに課題解決できる人材育成が必要です。
今回は、この迫りくる状況をセブンイレブンの「仮説検証力」から紐解きます。
私たちは「顧客ニーズの多様化に対応すべきだ」という「本当なようなウソ」に翻弄されてはいないでしょうか?
2月11日のダイヤモンド・オンラインの「セブンイレブンだけがなぜ売れるのか?」という記事を読みました。そこには、「本当なようなウソ」を暴き出す仮説検証力と仮説の成功性を的確に評価分析するフィールドカウンセラーのダイレクトコミュニケーションがあることが書かれていました。
セブンイレブンの店舗平均の日計売上高は67万円、ローソン55万円、ファミマ53万円だそうです。一人勝ちといってもよいでしょう。
記事によるとセブンイレブンの勝因は、「仮説検証力」とそれを高めるための「ダイレクトコミュニケーション」にあるという。
『結論からいうと、商品が買い上げられるスピードが違うのだ。これは有名な話なのだが、海辺の町で、釣り船の発着場へ続く道沿いにセブン-イレブンの店があった。ここで、いつも同じおにぎりの品揃えをしていれば、商品が買い上げられるスピードは他社と同じになる。ところが、「この週末は暑くなりそうだ。そうすると、お客さんも早朝に買いに来たとき、炎天下でも痛みにくい梅のおにぎりを選ぶのではないか」という仮説を立てるのがセブン-イレブンなのだ。そして、梅のおにぎりをいつもより多めに品揃えしておくと、それが瞬く間に売れる。』(記事より抜粋)
これがセブンイレブンの仮説検証力とのこと。なるほど、の一言です。
仮説検証は、誰でも、どこの組織でもしていると考えがちですが、「業界の常識」にとらわれた土台のうえでは成功性の高い仮説は設定できないでしょう。
また、仮説を検証するためには、データが必要です。数字を結果としてみるのか、顧客の心の中を推察する情報としてみるのか、というちがいがあります。
セブンイレブンは、後者として扱い、しかも地域や現場の状況をフィールドカウンセラーがダイレクトに観察した情報をそのデータに加えることにより、仮説の成功性を高いものにしているのだそうです。社内のダイレクトコミュニケーションと呼ばれる方法です。
CS推進やコールセンター、営業部門の担当者があまり経験していないロジカルな仮説検証、設計の能力が求められます。
この能力がなければ、顧客体験も顧客の声分析も成果の薄いものとなってしまいます。
2016年は、ロジカルな仮説検証力の醸成と現場定着がサービス部門の活躍の鍵となります。
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