言葉の選択に「心の位置」が見てくる

 新型コロナウィルスの感染拡大が不安ですね。外出を控えるお客様も多いのではないでしょうか。こういう時にこそ、ご来店くださったお客様には、「安心、安全」をどのように伝えるのかが大事ですよね。

 店舗の入り口に消毒液が置いてあればそれでよい、ということではないはず。「恐れ入りますが、商品をお手に取ってゆっくりとご覧になっていただきたいので、消毒をお願いできますでしょうか」というこの言葉を発することができるかどうかです。

 お客様の気持ちを察しながら、それでも毅然とお願いができることが大事ですね。普段から、「毅然」が苦手という応対者には、この機会にトレーニングをなさってみては?もちろん、集合研修なんて不要です。
電話やスカイプなどを使って、個別指導が一番です。

 電話応対にしても、社会的な不安が広がっている時には、心遣いのある言葉が欲しいですね。ですが、「ウィルスが心配ですね」というような言葉は粗野です。不安をあおるのではなく、「お互いに万全を尽くしましょう」というニュアンスの「共鳴感」が適当です。

 通販会社のコールセンターでは、利用量が増えることもあるでしょう。
外出しない分だけ、通販に、というケースも多いのでは。これもまた、忙しさを理由にしない応対が大事です。「心持」と現場に指導する機会と捉えましょう。この指導はすべての顧客接点従事者に共通した課題です。

 「心持」を教えることはとても難しいことです。「他人事」にせず、日本中の誰しもが抱いているであろう心の奥にある不安を理解しておく、という高度なマインドセットです。上手く教えるためのコツは「熱量」です。教える側の「熱量」です。静かな熱量と企業としての正しい行動を事例で説明するしかありません。

 そこで注意しておきたいのが、「言葉の選択」です。
昨晩、加藤厚生労働大事なんが、感染経路を質問された場面で、「疫学的な調査をしているところなので、回答を持ち合わせていない」と述べました。これは不適切!です。

 「持ち合わせていない」というのは、「国民に回答する必要性がないと考えている」という意味にも聞こえます。正しい日本語としては間違いではないのかもしれません。何せ東大卒ですから・・・。
それでも、国民CSとしては、不適切なのです。加藤大臣が選んだ言葉には、悪意はなくとも国民をどのように見ているのか、という「心の位地」がうかがわれます。「まだ調査結果が出ていないので、今しばらくお待ちください」で済むことなのに。

 「心の位置」とは「目線の位置」でもあります。どの立場でモノを言っているのか、ということでもあります。「言葉の選択」はクレームや重大な当社責任の問題発生時に必要なスキルです。ある意味では一生もののスキルでもあります。

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