和洋菓子製造・販売大手のシャトレーゼ(甲府市)は、
「シャトレーゼ西麻布店」(東京都港区)を24時間営業の無人決済
店舗として、3月25日にリニューアルオープンするそうです。リニュ
ーアル?西麻布にも店舗があったのかぁ。
10年ほど前に、スペシャリストレベルに合格なさったT氏から
「このケーキ店のCSは凄いよ」と教えていただいたのが最初。
あっという間に国内740店、海外9カ国で160店を展開する「大手」
に成長。素晴らしいですね。
当時、T氏はケーキの大きさ、価格、接客の良さの3点を挙げて、
「満足できる」と評価。「家族時間をより楽しめる」という
コメントもあったと記憶しています。10年前のこのコメントは、
機能的価値と意味的価値を率直に顧客目線で分析したものといえます。
さすがスペシャリスト!
同様の成長基調にあるのが、コストコの「デザート」。大きな
サイズでお手頃価格。、家族やゲストが「楽しい!美味しい!」
と笑顔になる「映え感」。そして、コンビニデザートの充実度が
半端ない。さらには、冷凍通販の洋菓子、有名ホテルのケーキの宅配。
なんて素敵なデザート天国ジャパン。洋菓子業界は、まさに戦国時代。
この状況の中で、シャトレーゼは24時間営業と無人決済に挑戦します。
「通常の有人レジと比較して、入店客が短時間で買物を済ませられる
だけでなく、24時間営業とすることで、早朝や深夜の買物ニーズにも
対応できる。午前11時から午後8時までは有人での営業とし、ケーキや
焼きたての菓子は、有人営業の時間帯に販売する」と発表しています。
朝や午後8時以降にデザートは売れるのか?と思うところですが、
コンビニで売れるのであればリスクは小さい。何よりも、この10年間に
培ってきた「冷凍技術」「通販仕様」「低糖デザート」という技術開発
が24時間の顧客ニーズに応える、という発想につながったのでしょう。
技術開発をサービスの力にしていく、サービス・ドミナント・
ロジックが社内に醸成されているということだと推察します。
無人決済については、「まずはチャレンジ」というところでしょう。
天井に設置した複数のカメラなどの情報から、入店客が手に取った
商品をリアルタイムに認識。出口付近の決済端末のディスプレーに
表示された商品の明細と金額を確認し、代金を支払う、という方法を
導入したそうです。
無人決済、24時間営業、という機能的価値における2つのチャレンジが、
お客様の意味的価値にどのように反響するのかをまずは検証しよう、
というスタンスであることが伝わってきます。その目的において、
西麻布店は最適な検証地です。
低糖デザートや自慢の「あん」がいっぱい入った和菓子がどのように
お客様の24時間に選ばれるのかが楽しみなところです。
CSにかかわる私たちは、事業の変化や新しいサービス開発について、
傍観者になっているわけにはいきません。検証や、予測、仮説を顧客
目線で行い、意見提言できることが必要です。
CS気づきのランチレッスンは、どんどん受講者が増えております。
みなさま、ありがとうございます!これからも、気になるビジネス実例
を楽しくご紹介してまいります。
次回開催は4月12日(水)12:30です。実例は当日の朝に決まります。
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