猛暑、酷暑に荒天、そして多すぎる降水量と正反対の渇水、農業に携わる皆様にとっては
「つらい」「この先が見えない」という気候変動です。消費者にとっても、不安が募ります。
今年の新米はどうなるのだろう?最近スーパーにはお米がない、など。
こうなるとスマート農業が着目されます。とはいえ気候変動を止めることはできませんが。
このような状況の中で、2018年に20代の若いメンバーが立ち上げた「サグリ」という会社
が話題になっています。今年7月にも、資本力を増強に成功しているという情報が、
ニュースで扱われたほどです。
この会社は衛星データ×AIというテクノロジーで「人類と地球の共存を実現する」という
ビジョンを掲げています。ミッションは「農地の見える化で価値を創造する」です。
ストレートでわかりやすいです。
衛星データ(画像)をAIで意味づけるという特許を取得しています。それを活かして、
農作物の種類・作付け判定を見える化する「デタバ」、圃場の状態(生育・土壌)を
見える化する「営農サグリ」というアプリを開発しました。
まさに、テクノロジーによるスマート農業です。
ここから彼らは、あることに気づいたようです。「人類」に目を向けることに。2つのアプリ
を開発し、農家に提供しながら、農家、農業にかかわる人たちとの「かかわり方」を深めて
いきます。その中で、「人」と「かかわること」の重要性を体感したのではないかと推察します。
次から次へと、多くの企業や資本家、そして旧態依然としていたJAが彼らを受け入れたのです。
もともとスマート農業に先駆的な役割を果たした兵庫県で起業したことも影響するのでしょうが、
「地球」を「人目線」で分析する、農業経営、農業の継続にもアイデアを投入していきます。
耕作放棄地を見える化する「アクタバ」、農地利用を促進するサービス「ニナタバ」をリリース
しました。さらには、農家の収入を「農業領域のカーボンクレジット」によって安定させる
アイデアへ。しかもそれは日本国内だけではなく、新興国の農家に拡大。
若い世代がテクノロジーにより起業しても、大手企業に飲み込まれてしまうことが多いと
言われています。ですが、「サグリ」のように、「農地の主」たちと「かかわる」ことで、
次第に「農家の収益」というところに目線をもつことができるようになりました。
企業には「テクノロジー」という部門があり、その部門は花形でしょう。ですが、その花形は
「誰のために」「何のために」「何をしたいのか」というビジョンやミッションが明らかに
なっていないと、「技術屋さん」で終わってしまいます。
大事なことはテクノロジーをもって「人」とどのように「かかわり」、何に「気づいたのか」
というプロセスです。これこそが、「お客様を深く知る」というCSの考え方であり。
価値共創の土台です。
若い世代ほど、壁、たとえばJAという旧態依然とした王国の壁を、簡単に突破していきます。
そこには、大きな熱量が動いているからでしょう。思い込みに頼らない「本当の農業の現実を
知りたい」という熱量と誠実さがあったのでしょう。
これからの企業はどんどん「テクノロジー開発、活用」に事業を進めていきます。だからこそ、
お客様の目線に立ってみる、というCS実践行動の徹底と価値共創行動が必要です。
CS担当者のミッションは、ますます事業の中枢へと広がっていきます。
◆◇◆ 第48回 CSマネジメントセミナー ◆◇◆
8月29日(木) 15:00~16:00
今回のテーマは:生成AIの進化に対応したCS業務の構築
みなさまのご参加をお待ちしております。
お申し込は: https://www.cs-kentei.net/csms.html