「顧客起点が薄まった」純利益98%減のオムロン社長の言葉を読み解く

制御機器大手のオムロンが2月5日の決算説明会を行いました。その席上で

辻永社長は「顧客起点でのマネジメントや行動が薄まっている、という本質的な

問題がある」と反省の弁を述べました。2023年4月の社長就任後、現場の社員との

対話や取引先への訪問を通して感じたそうです。

2020年度以降、制御機器事業を中心に右肩上がりの実績だったオムロンでしたが、

2023年度決算は、2023年4月の営業利益予想の5分の1という状況に陥りました。

株価最高値を更新しようという動きが強まりつつあった市況の中において、昨年

10月には一時ストップ安に。

東洋経済の記事によると、原因は、受注が大口顧客に偏りすぎていたことにある

ということです。制御機器事業部は近年、製品とソフトウェアを組み合わせて

顧客に提案するという高付加価値化に力を入れてきたそうです。顧客の課題を

基にAI(人工知能)などを活用して、自動化を一段と進化させる新たなアプリ

ケーションを生み出します。

一方、こうした高度で複雑なシステムを生産ラインに必要とする企業は、業界の

最先端を走る大手に偏りがちです。つまり、その大手企業の動向に自社の経営を

委ねてしまっているようなものです。その結果、中国の景気低迷にひきずられる

ように、大口顧客による設備投資の延期や縮小が相つぎ、受注を獲得できなかっ

たとのこと。

メールマガジンを読んでくださっている「みなさん」は、このニュースを

どのように感じていますか?

私たちCS人材にとっては、重要な話だと受けとめる必要があります。CSが

経営とどれだけ深くかかわっているのかを、より現実的に理解できる機会です。

同時に、CS人材が自社の「顧客起点」「顧客視点」を適正に測定、管理、報告

することが、どれだけ経営に重要であるかをもっともっと認識すべきです。

辻永社長は「コロナ禍やサプライチェーンの混乱に見舞われた結果、自社内部

の問題を解決するために人やお金を多く割くようになり、顧客に目が向かなく

なっていた」と述べたそうです。

さらに「一度リセットして業務内容を見直し、顧客に向いた仕事に傾注していく

必要がある。現場任せにはしない。全社が一丸となり、評価や投資の基準も定め

てガバナンスのチェンジに取り組んでいく」との発言も。

では、「顧客に向いた仕事に傾注する」とは、どのようなことなのでしょうか?

答えは1つです。社員がCS理論と実践技術を理解し、価値共創を具体的に実現

する取り組みをすることです。CS理論を土台にすることにより、「今の自分の

行動はお客様にとって満足度として、どのくらいのレベルだろうか」という目安

が立ちます。

「顧客に向いた仕事」をするための「根治治療と即実践できる」技量の育成、

人材再開発が必要です。そのうえで、顧客価値とはどのようなものなのか、を

よくよく理解していただき、価値共創力を高めることが、CS人材のミッションです。

このところ、いろいろな場面で「顧客を軸にした」という言葉が経営層や経済・

経営研究所から発信されています。理由は1つです。「顧客を軸にした発言が

社内で交わされなければ、変化に対応する事業はできない」からです。

価値共創を第一にするとコストや労力が膨大になると考えている経営層がまだ

まだ多く存在します。実際には、価値共創を実践知として活用できる組織に再生

することができれば、スケール化はいくらでもできます。

2024年度はCS人材の活躍の場を一層、広げましょう。

4月にCSアカデミー特別講座として、「価値共創の醸成とスケール化への取り組み」(仮)を

開催いたします。内容の公開まで今少し、お待ちください。

4月9日ビジネス総合力セミナー「CSスペシャリストが教える!気づき・聴く・

伝わるスキルアップ講座」を開催いたします。

新入社員、営業部門社員のみなさまのご受講をおすすめいたします。

■ [ビジネス総合力セミナー]

     CSスペシャリストが教える!気づく・聴く・ 伝わるスキルアップ講座

        4月9日(火)10:00~12:00 

 本講座の詳細はこちらからご覧ください。

https://www.cs-kentei.jp/seminer0409/

■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■

 最後までお読みいただきましてありがとうございました。

  ※当検定協会のメールマガジンの全文または一部の文章を

  許可なく転載することを禁じます。

 ※このメールアドレスは、配信専用です。ご返信いただきましても

  ご回答できませんので、ご了承ください。

 ※CSスペシャリスト検定協会メールマガジンの今後の配信停止を

  ご希望の方は、下記URL 会員登録サイトの下部にある解除ボタン

  よりメールアドレスをご送信ください。

     http://www.cs-kentei.jp/mailmaga.html

 ※アドレス変更をご希望の方は、お手数ですが下記のアドレス

  までご連絡をお願いいたします。

     kentei@cs-kentei.jp

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です