国語力がCS対応に影響する?伝わる明確さのちがい

 どんなにCSマインドが洗練されたサービスマンでも、国語力は大事だと痛感した出来事がありました。心遣い、気配りが行き届いた航空会社の地上勤務の方だっただけに残念でした。

 搭乗時刻の30分前に「機材ぐりのため30分出発が遅れます」というアナウンスが流れました。参ったな、と思いながらも「待つしか」ありません。それでも、やっと搭乗がはじまったのですが、いきなりストップ。

 驚いていると「確認のため、一度ご搭乗をとめます」というアナウンスが。イライラしながら、搭乗口を見ているとバタバタしている様子。何が起きたのだろう?と不安になります。再度、「確認のため15分遅れる」というアナウンスが。ますます不安が募ります。

 問題なのは「何が」「何を」確認しているのかがわからないからです。思わず、カウンターに尋ねに行きました。「つべこべ言う気はないのですが、確認というのは何を?ちゃんとフライトできるのですか?」と。

 回答は「はい、時間は遅れますが、飛びます。ただ、あと少しお時間がかかります。
おそらく5分後にはご案内ができると思います」とのこと。

 これまた「何をご案内できるのですか?」と質問。「搭乗開始時間です」とのこと。
会話は緊張感の中、「何を」問答でした。

 ですが、「確認」の中身はわからず、一度は引き下がりました。ですが、不安になり、もう一度カウンターへ。しつこいですね、私。

 「確認って、何を?」と尋ねると、やっと「部品の交換をしているので、その時間がかかっている」という回答を聞き、少しホッとしました。

 ですが、心の中では、「ちょっと待って、それは確認じゃなくて、問題解決のための作業中ということだよね」と。

 飛行機が何かを確認していると聞いたら、みなさんはどのように思いますか?

 不安になりませんか?ですが、作業中だと聞けば、問題は解決できるのだ、と安心できます。

 飛行機だけに必要以上の情報を開示することは、不安をあおるだけだという判断なのかもしれませんが、何かが違う、と感じます。

 話し方も、目配りも見事な対応者なだけに、「国語力?目的語を飛ばす癖?」としか思えません。

 結局、機内で「操縦席で部品の不具合が見つかり、交換作業をしていた」というアナウンスがありました。なんだ、そう言ってくれた方が「飛ばないんじゃないか」と不安にならずに済んだのにと思うばかりです。

 航空会社としての配慮があったのかもしれませんが、「目的語」が不明瞭な話し方は、相手の理解を得られない、ということには変わりはありません。文章の組み立て方の癖を自己分析してみることも大事です。

 クレームを受けることが多い応対者には、この「何を」が明確ではない方が多いように感じます。自己チェックをしてみまょう。

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