東京メトロのサービス教育は、鉄道関係企業の中では群を抜いているように感じます。
地方に行けば、独特な風土感やそれこそ「おもてなし」が伝わってくるサービスがあります。
ですが、その感覚とは少し違う「戦略的なCS」という方向性が見えてくるのです。
東京のど真ん中で、何百万人という人が利用する東京メトロの路線。
私を唸らせたのは朝の地下鉄銀座線でのワンシーンでした。
長蛇の列に並んで電車の到着を待つホーム。そこで耳にした「整列乗車にご協力ください。混みあってお乗りになれない場合には次の列車をお待ちになる列の最後にお並びください。お気をつけて行ってらっしゃいませ」というアナウンスでした。
アナウンスとしては、「ご協力ください」「お並びください」という「ください」が2回続くので命令口調に聞こえます。しかも「ください」に力が入っているようで、やや不愉快。それでも、最後の「お気をつけて行ってらっしゃいませ」はなんとなく気分が良いのです。
実はこのアナウンスは特定の効果を狙った「アナウンスメント」なのです。しかもそれがCSを感じさせるのです。2番目の「最後にお並びください」というこの部分が「アナウンスメント」なのです。
そのホームにいる誰にでも聞こえるアナウンスをすることにより、全員がこのルールに従うことを認めざるを得ないという効果があるのです。
駅ホームでのお客様同士のトラブルが数多く発生しています。
そのために電車が遅れる事態もしばしば起きます。事前回避するためのアナウンスメント効果がここに垣間見えるのです。
さらに、このアナウンスメントが耳に慣れることにより、東京メトロからのお知らせアナウンスを利用者が無意識に受け入れるという状況を醸成しているのです。
12月28日~1月2日まで東京メトロ銀座線は渋谷駅の新施設への切り替えに伴い、一部24時間休業になります。
誰も「そうなのか」「いよいよ新しい渋谷になるのか」というニュアンスでアナウンスを聞いています。
ホーム職員にとって、アナウンス業務は面倒かもしれません。
ですが、テープを使わずに生アナウンスをすることが、企業と顧客の協調関係を創っているともいえます。
どのような業種であってもお客様への告知やお知らせをする際に、「アナウンスメント効果」を意識してみることはとても大事です。
単に「注意喚起をしなくては」「案内漏れが出ているとまずい」というリスクヘッジ視点ばかりで、アナウンスを考えてしまうのはもったいないことです。
何をアナウンスメントすると、お客様との無意識ゾーンでの協調ができるのか、ということを考えてみてはいかがでしょうか。
お客様からの企業への共感を失ってしまうとクレームにつながります。
いよいよ2月7日、CSアカデミーにてCSマネジメントセミナーとクレーム対応特別講座を開催いたします。ぜひ、ご参加くださいませ。
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