地方新聞の大改革!Journalism as a Service日本版の出現

 NHKクローズアップ現代を見ていたら、思わぬ言葉に出くわしました。
「Journalism as a Service」という言葉です。

 直訳すれば、サービスとしてのジャーナリズムということです。
学術的には、情報メディアに関する難しい研究テーマのようなのですが、凡人にとっては興味をそそられます。

 番組の中では、西日本新聞社が販売部数の加速的な低下への改革を取り上げています。その目玉が、「あなたの特命取材班」という記事です。「読者が知りたいことを取材する」という画期的な大改革です。

 ジャーナリストはその矜持として、「自分のアンテナ、自分の主張」で読者に情報を知らしめるという発想をもっています。ですが、「だから、読者が読まない」という結果になり、そのことを認めることができないまま「特ダネさえあれば」と焦る状態になったといえます。

 さらに言えば、「特ダネ」と思った記事がそれほどの反響を呼ばないこともあります。この長い新聞社の「常識」を「読者目線、読者起点」に切り替えることで、新聞が「情報提供サービス」へと意識改革をしたのです。

 西日本新聞のホームページには、「あな特」について、次のような説明が記載されています。

 「暮らしの疑問や地域の困り事から行政・企業の不正告発まで、読者の情報提供や要望に応えるオンデマンド調査報道に挑んでいます。
「あなた」のために取材して書いた記事が多くの人の役に立ち、社会がより良い方向へ進めば、大きな喜びです。取材班一同、「あなた」の期待に応えられるように走ります。」

 まさにCSですね!「あなたの期待に応えられるように走ります」というのは画期的!です。ネタ元は読者の声です。その声をLINEなどでダイレクトにインタビューを行い、真相を記者が拾い上げるという仕組みです。

 たとえば、全国で実施されている「子どもの急病相談」の記事についてその違いを考えてみましょう。

 従来の記事であれば生活・社会欄に、「利用者が増加傾向にある」という程度の「こういうサービスがありますよ」という紹介記事で終わっていたでしょう。

 ですが、「あな特」では、「つながらない子どもの急病相談ダイヤル♯8000」というタイトルで調査を進め、利用者の実体験に基づき行政に調査を進めます。その結果、対応体制が限界状態になりつつあることが判明。行政に改善を求める記事を掲載しています。読者は「新聞の記事が行政サービスを改善してくれている」と満足します。良い循環です。

 さらには、全国の地方新聞社が記事を共有するネットワークが始まったそうです。それにより、「読者目線」を共有することができ、読者との距離感が一気に縮まっているそうです。読者の代わりに奔走して事実を手繰り寄せる記者ということですね。

 世界中がwebニュース化していることで、「自分が気になる情報しか読まない」状況が進んでいます。そのために地域で起きている大きな社会問題にも気づかない、「ニュース砂漠化」が進んでいるそうです。

 西日本新聞の大改革は、読者に対するサービスであると同時に「知らないことへの危機感の提唱」でもあるのす。満足度を高める3ステップで言えば、実は、この状態も「ステップ3、お客様がまだ言葉にしていない将来的な問題・課題を発見し、解決したことへの高い満足」というレベルにあたります。

 企業努力とプロ意識がサービスに気づき、自己改革を断行した素晴らしい事例です。あなたの周りにも、同じような事例がある
かもしれません。CSは実績とリンクしてこそ、意義があります。
この視点から、周囲の企業動向を観察してみましょう。

 3月2日(月)から、いよいよ「CSメルマガのメイキング音声ブログ」(仮)をスタートします。どうぞ、お楽しみに!

   プレオープンを是非お聴きください!

  https://note.com/cskaoru/n/n3ffe884e8c45

 恐れ入りますが、ご視聴は、グーグルクロームからアクセス、或いは、 スマホからお願いいたします。

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