7月1日の東洋経済の記事をお読みになった方は多いと思います。
「闇営業」に関する吉本興業とワタナベエンターテイメント(以下、ナベプロ)の対応、謝罪の違いが取り上げられていました。
まさに企業がCSの現実を理解した対応でクライシスをチャンスに変えた事例です。記事を書いたコラムニストの木村隆志という方の分析は文句のつけようのない内容でした。
結論から申し上げると、ナベプロの謝罪対象は反社会的勢力の犠牲になった方々と視聴者。それに対して吉本興業は取引先であるTV局やスポンサーを対象にしている、ということです。
この違いこそ、CSを理解した企業であるからこその視点です。感心するばかりの対応です。
さらに、視聴者が知りたい「お金の授受と納税」の問題についても、受け取った事実を認め、納税したことを説明しています。この潔さ、明白さ、曇りが消える感じが視聴者の期待に応えているのです。
しかも、納税はしたが、お金は被害者に戻したいと明言し、警察と相談していると方法を具体的に説明。曇りがありません。そして、極めて論理的です。
加えて、問題の当人(ザブングル)と会社がコンプライアスン教育を担当していた元警察庁OBの弁護士と面談し、当人が人間として成長することを決めたことを説明。その結果ボランティアをすることに。
そのボランティア先はナベプロが一緒に探すそうです。
企業としての責任と万全の改善策を示しています。万全です!CSはクレーム対応のためにあるのではありません。クレームを未然に防ぐために必要な考え方です。
視聴者の期待を裏切ったら、その信頼を取り戻すためにはどうするべきなのか、というすべてのアイテムが組み込まれた謝罪対応でした。
ここまでできる企業を「信頼できない会社」とは視聴者は言いづらくなります。 むしろ吉本興業と比べることによって、「この会社は信頼できる」と思うでしょう。まさにクライシスをチャンスに変えた事例です。
この実例で私たちが学ぶべきことは、「社員がお客様の期待に応える」ということはどのような責任と現実的な成果を伴うことなのかを明確にするということです。
スローガンとしてCSを「置物」にしてしまった企業は大きなクライシスに直面するという現実を社内で共有する必要があります。
多くの企業がクレーム対応の迷路に入り込んでいるようにも感じるこの頃です。クレーム対応を上手くなってはいけないのです。話し方や謝罪文の丁寧さでお客様を動かすことができると思うのは浅はかなことです。それは本当に入口だけの対応力にすぎません。
未然に防ぐCSを実現できていれば、論理的にお客様にご信頼いただける事実を提示することができます。 それをよりどころにして、お客様との新しい関係構築に向かうことができます。
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