今年の流行語大賞のノミネートにラグビー関連の言葉が5つも選ばれたそうです。もちろん『ONE TEAM』も。使い古されたような言葉が、ワールドカップで輝きを放ったようにも感じます。
企業の経営層はこぞって『ONE TEAM』を社内メッセージに使いまわしているようです。若い社員からは「流行に乗っているだけ」と痛烈な言葉も聞かれるようですが。(笑)
さて、この『ONE TEAM』という言葉を社内でもっとも期待しているのは、私たちCS関連部門ではないでしょうか。リーチ主将を先頭にして肩に手をかけ合いながら入場してくる姿はオールブラックスのハカに相当するくらいのパワーがあります。企業はCSをその隊列のどこに配備しようとしているのでしょうか。
日本代表チームにとって『ONE TEAM』は、勝つための精神的支柱であり、試合における行動指針です。試合に出るメンバーはもとより、「WATER」役のメンバーもその行動指針に沿った結果を出します。試合に出たメンバーが「WATER」に対する感謝や称賛を述べる言葉には、レベル感の違うニュアンスがあります。
「WATER」役がヘッドコーチのメッセージを的確に伝えること、独自に戦況を分析した情報を伝えてくれたことが役に立った、と試合に出たメンバーがインタビューで述べていました。「信頼できる視点」「俯瞰した視点」をもったリサーチャーであり、作戦をサポートするメンバーであったということです。ですから、決して主役ではない「WATER」だけの貴社インタビューが行われ、「WATER」が自分たちの行動について自信をもって発信できる、という状況が生まれたのでしょう。いいですね!
CS担当者やCSに関する部門は、リサーチャーであり、経営方針、営業方針をサポートする「WATER」と認識してもよいのではないでしょうか?すべての社内部門の情報を有しており、経営層の意向も理解しているという点では同じです。
それだけに「リサーチャー」「戦略サポート」という能力をどれだけ有しているのか、という点がCS推進担当者の課題になります。
ラグビーには「ジャッカル」というボールを奪う技があります。No .8姫野選手の得意技。
スコットランド戦でリーチマイケルが倒した相手からボールを奪う雄姿に日本中が湧きました。そのきっかになったのは相手を倒したリーチ主将の動き。まわりの敵陣の動きを封じたメンバーの支え、ですね。※「にわかファン」なので詳しくは書けないのでご容赦を。
つまりは「WATER」がリサーチと戦況分析をしっかりと行えば、「顧客を奪う」こともできる、ということなのではないでしょうか。少子高齢化、ECビジネスが主戦場になった時代では、「顧客を目に見えない争いの中で奪い合う」ことがあたりまえになりました。
これはしんどいことです。
同じ戦い方では勝てません。お客様を深く知ることで「顧客になりたくなる」サービスを創り上げていくことが必要になります。
11月22日(金)のCSマネジメントセミナーでは、まさにこのお話をさせていただきます。ぜひとも、ご参加ください。